霰粒腫
霰粒腫
「何度も繰り返す」「手術は避けたい」「子どもに切開手術は難しい」…そんなお悩みに、IPL治療(光治療)が新たな選択肢となります。
当院ではルミナス社M22を用いたIPL治療を導入し、患者様一人ひとりの状態に応じたオーダーメイド治療を提供しています。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたにあるマイボーム腺という脂の腺が詰まり、そこに油がたまってしまうことで発生します。
まぶたの一部が腫れて、しこりができ、腫れ、痛みが出現することもあります。似た病気に「ものもらい」があります。ものもらいは専門用語で麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と呼ばれます。マイボーム腺にばい菌が感染して起こるもので、霰粒腫とは原因が異なります。
ただし、初期の場合や霰粒腫に細菌感染が加わった場合は見分けることが困難ですので、脂のつまりとばい菌の治療を同時に行います。
霰粒腫に対する一般的な保険診療では、抗菌薬やステロイドの点眼・軟膏、まぶたを温めるといった保存的治療が行われます。数か月かけて自然に縮小したり、破れて中身が排出されるのを待つ方法が一般的ですが、再発しやすいのが特徴です。
悪化した場合には、針で内容物を排出したり、切開手術が必要になることもあります。
ただし、術後にまぶたが腫れる、しこりが完全に消えない、内容物の取り残しによって再発するなどのリスクがあり、特にお子様では手術が難しいことがあります。
近年、※国内外の研究により、IPL(Intense Pulsed Light)光治療が霰粒腫に対して高い効果を示すことが明らかになってきました。
1. 熱作用
脂の詰まりを改善し、排出を促します
抗炎症作用
炎症を抑え、しこりの縮小を助けます
抗菌・抗まつげダニ作用
細菌・ダニの繁殖を抑制します
コラーゲン組織再生
組織の修復を促進します。
切開不要のため切開の傷跡が残りません
従来の点眼や軟膏と比べて、より早く効果が期待できます
両まぶた全体への照射により再発を予防します
痛みがほとんどなく、ダウンタイムも少ないです
妊娠中・授乳中の方、光に過敏な体質の方、皮膚に炎症や傷がある方などは、事前に医師による確認が必要です。詳しくは診察時にご説明いたします。
IPL(光治療)は皮膚科で広く用いられている比較的安全性の高い治療法ですが、以下のような副作用が報告されています。
※副作用の出現には個人差があります。施術後に異常があれば速やかにご連絡ください。
カウンセリング・診察
治療の準備(治療当日)
IPL照射
治療終了
本治療は自由診療となるため、保険診療は適用されません。施術のご予約時に、院内での前払いをお願いしております。
| 初回カウンセリング料 | 10,000円(税込) |
|---|---|
| 2回目以降の再診料 | 3,000円(税込) |
| 施術代・薬剤費(1回あたり) | 15,000円(税込) |
カウンセリング当日は診察を含めて30分〜1時間ほどお時間をいただきます。
IPL照射そのものは1回につき15分程度です。
軽い温かさやパチッとした感覚はありますが、ほとんど痛みはありません。お子様でも安心して受けられます。
個人差はありますが、急性霰粒腫では3〜5日で改善してくることが報告されています。慢性の場合は数週間後から徐々に効果が出ます。
2~3週間ごとの間隔で通常4回の治療を推奨していますが、1回で改善する方も、6回以上かかる方もいらっしゃいます。再発性霰粒腫を対象とした研究では、患者の57%が4回、29%が3回のIPLを受けており、中には6回まで追加照射された例も報告されています。(Zhuら, 2022年, Frontiers in Medicine)
再発を抑える効果が期待できます。IPL治療は両まぶた全体のマイボーム腺機能を改善するため、研究では再発率が45.6%から11.4%に低下することが報告されています。(Zhuら, 2022年, Frontiers in Medicine)
IPLは、皮膚科や眼科分野で広く使用されている光治療技術で、比較的安全性が高いとされています。まれに照射部位に一時的な赤みや軽い腫れが出ることがありますが、通常は2〜3時間ほどで自然に改善します。重篤な副作用の報告はほとんどなく、切開と比べてダウンタイムが少ないため、治療後すぐに日常生活に戻ることができるのも特長です。
はい、点眼薬や軟膏などと併用可能です。併用により、より良い効果が期待できます。
治療後2週間は日焼け止めの使用を推奨します。洗顔、メイク、入浴は通常通り可能です。
はい、6歳以上のお子様もIPL治療を受けていただくことができます。
実際に149名の小児を対象とした研究では、安全性が確認され、有効率も74.7%(完全治癒22.7%)と良好でした(Jiangら, 2024年, Scientific Reports)。
ただし、治療中は目を閉じたまま静かにしていただく必要があるため、じっとするのが難しいお子様の場合には、安全を最優先し、治療を見合わせることがあります。
医療費控除の対象になる可能性があります。詳細は領収書をご準備のうえ、ご自身の管轄の税務署にご確認ください。
原則として、初診日は診察とご説明のみとなり、治療は後日あらためてのご予約をお願いしております。ただし、予約に空きがある場合は、初診日でも施術を行えることがあります。当日の施術をご希望の方は、午前は11時までに、午後は16時までに受付をお願いいたします。
また、芸能人の方や人目を避けてゆっくり施術を受けたいVIPの方のために、時間外での完全予約対応も行っております。こちらは、治療費とは別に、1回 50,000円(税込)の追加料金にてご案内可能です。ご希望の際は、事前にお問い合わせください。
自由診療(IPL治療など)の施術については、ご予約時に施術料金を院内にて前払いでお預かりしております。キャンセルの時期によっては、以下のようにキャンセル料が発生します。
軽症の場合は、まず点眼薬や軟膏による治療を試みるのが一般的です。ただし、それだけで自然に治るのは全体の2〜3割程度といわれています。
はい、IPL(光治療)でも改善が見られない場合は、15歳以上の方に対して切開による治療も行っております。
※切開手術は事前診察のうえ、後日予約制での対応となります。15歳未満の方に関しては、連携する他院をご紹介させていただきます。
切開手術も霰粒腫に対するひとつの治療法で、必要に応じてご提案しています。ただ、実際に切開を受けた患者様の中には、術後の腫れが強く、外出を控えることになったり、内出血や傷跡が長く残ったりすることで悩まれる方も少なくありません。また、炎症がまぶたの奥に残ってしこりが続いたり、内容物の取り残しによって再発するケースも少なくありません。IPL治療は切らずに治療できる可能性があり、腫れや傷跡の心配も少ない方法です。再発率の低下も報告されており(例:45.6%→11.4%)、患者様の身体的・精神的な負担が軽減される治療法と考えています。
当院ではステロイド注射は行っておりません。一定の効果があるとされていますが、皮膚の萎縮や色素沈着、眼圧上昇(緑内障)、外傷性白内障、まれに血管閉塞による失明といった重い副作用のリスクが報告されています。そのため当院では、より安全性の高い治療(IPL光治療など)を第一選択としてご提案しております。
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