白内障
白内障
目の中には「水晶体」という透明なレンズがあります。白内障は、年齢とともにこの水晶体が濁ってくる(にごってくる)病気です。早い人では40代から始まり、70代になるとほとんどの人に見られるようになります。

白内障になると、次のような症状が現れます。
目薬で進行をゆるやかにすることもできますが、視力を回復させるには手術が必要です。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工のレンズ(眼内レンズ)に交換することで、見え方を改善します。
当院では、大学病院や地域の基幹病院で数多くの手術経験を積んだ院長が、ライフスタイルに合った眼内レンズをご提案いたします。
視力検査
手術前の裸眼視力や、最もよく見える眼鏡をかけた状態での矯正視力を測定します。
角膜内皮細胞検査
手術によるダメージに角膜が耐えられるかどうかを確認するため、角膜の健康状態を調べます。
眼底検査・OCT検査(網膜)
目の奥にある組織(網膜)に異常がないかを詳しく調べます。白内障以外に、見えにくさの原因が隠れていないかを確認するために大切な検査です。
眼軸長・角膜曲率測定(ARGOS)
眼内レンズの度数決定に必要なデータを光学式生体測定装置「ARGOS」とアルコン白内障手術ガイドシステム「VERION」を用いて取得します。
前眼部の精密検査(CASIA2 advance)
角膜の形状、水晶体の位置などの目の構造を三次元で解析します。特に乱視矯正レンズや多焦点レンズの方に重要です。
「まだ手術までは考えていないけれど……」という方も、まずは目の状態を知ることから。
どうぞお気軽にご相談ください。
Step 1
麻酔をかける
点眼薬による麻酔を行います。痛みを感じることなく、安全に手術を受けられます。
Step 2
眼内レンズを入れる穴を作る
角膜に約2mmの小さな切開を作ります。
Step 3
濁った水晶体を取り除く
超音波で濁った水晶体を丁寧に取り除きます。
Step 4
眼内レンズを入れる
折りたたんだ眼内レンズを挿入します。
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いた後に「眼内レンズ」を挿入します。
眼内レンズにはいくつかの種類があり、「見たい距離」「メガネの使用頻度」「夜間の見え方」などに応じて選び方が異なります。
遠くから中間距離まで、なめらかにピントが合うよう設計されています。
多焦点レンズの便利さと単焦点レンズの見え方の質を取り入れたバランス型レンズです。
遠く・中間・近くなど複数の距離にピントが合うよう設計されたレンズです。
1つの距離(遠く・近く・中間)のにピントを合わせるレンズです。このレンズのみ手術費・レンズ費ともに健康保険の対象となります。
| レンズの種類 | ピント距離 | メガネの使用頻度 | 夜間の見え方 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| 単焦点 | 1か所(遠または中 または近) |
必ず必要× | 自然で安定◎ | 安価 |
| 焦点深度拡張型 | 遠〜中間 | やや必要○ | 自然で安定◎ | やや高価 |
| 多焦点 | 遠・中・近 | 少ない◎ | にじみを感じることあり○ | やや高価 |
レンズ選びは、「メガネをどのくらい使いたいか」「生活でどの距離をよく使うか」「夜間運転の有無」などにより適したものが異なります。当院では説明動画と丁寧なカウンセリングを通じて、あなたに最も合ったレンズをご提案します。
手術当日
手術前後の準備・処置を含めて、院内には2~3時間ご滞在いただきます。
来院
自転車・自動車での来院はお控えください。
手術前の準備
瞳を開く目薬(散瞳薬)と、痛みを抑える目薬(麻酔薬)を点眼します。
手術はリクライニング式の椅子に仰向けになった状態で、顕微鏡の光を当てながら行います。
手術
点眼による麻酔を使用し、約10分で終了します。
医師が声をかけながら進行しますのでご安心ください。
手術後の経過と注意点
白内障手術後の回復を安全に進めるため、以下の注意点をお守りください。
見え方に不自由を感じていなければ、すぐに手術を受ける必要はありません。
ただし、白内障のにごりが軽くても、遠視が強い方などは緑内障の発作を起こすことがあり、早めの手術が必要になることもあります。
当院では、前眼部OCTを用いて目の状態を詳しく調べ、発作の起こる可能性を視覚的にわかりやすくご説明いたします。
その結果をふまえて、患者様一人ひとりに最適な手術の時期をご提案しています。
「視力が落ちた」「かすむ」「まぶしい」と感じたときが、ひとつの目安です。
白内障が進みすぎると、手術の合併症リスクが高まったり、手術をしても十分な視力が出にくくなったりすることがあります。
また、白内障の進行度だけでなく、緑内障の発作リスクや目の奥の状態(網膜・黄斑)なども手術時期の判断に関わります。
当院では、各種検査をもとに、患者様一人ひとりに合ったタイミングをご提案しています
両目同時の手術にも対応可能です。
同時に行う最大のメリットは、通院回数が少なくなり、患者様のご負担が軽くなることです。
ただし、白内障が進行している場合などは、安全性を考慮して片目ずつ手術を行うことをおすすめする場合があります。
診察時に目の状態を詳しく確認し、最適な方法をご説明いたします。
原則として中止は不要ですが、手術の難易度に影響する薬剤もございます。安全に手術を行うため、服用中のお薬はすべてご申告ください。
おひとりで来院される方もいらっしゃいますが、手術当日は付き添いがあると安心です。
レンズにはそれぞれ特長がありますが、当院では事前のカウンセリングの際にシミュレーション画像や動画を用いながら、生活スタイルやご希望に応じて丁寧にご説明いたしますので、どうぞご安心ください。
手術自体は10分程度で終了します。ご来院からお帰りまでの所要時間はおおよそ2〜3時間を見込んでください。
点眼による局所麻酔で行いますので、痛みはほとんどありません。必要に応じて追加の麻酔も行いますので、ご安心ください。
白内障の進行具合や目の状態によって異なりますが、翌日から改善を実感される方も多くいらっしゃいます。見え方が安定するまでは1〜2週間、完全に落ち着くまでは1〜2か月かかる場合があります。
通常は以下のスケジュールで通院をお願いしています。
翌日 → 3,4日後 → 1週間後 → 2週間後 →3週間後 → 1か月後 → 3か月後 → 6か月後 → 1年後。以降は半年ごとの通院が目安となっております。
非常にまれですが、手術に伴う出血や感染などにより視力に影響を及ぼす可能性があります。当院では最新の手術機械を使用することで、合併症のリスクを極力抑えております。
一般的な白内障手術(単焦点レンズ)は健康保険が適用されます。自己負担割合に応じた費用負担となり、高額療養費制度の対象となる場合もあります。
自己負担の上限を超えた分は、後日払い戻されます。詳しくは、ご加入の保険組合またはお住まいの市区町村窓口にご確認ください。
多焦点レンズを選択された場合は、保険適用部分に加えて、レンズ代などの保険外費用が発生します(選定療養または自由診療)。レンズの種類により金額が異なりますので、詳しくはカウンセリング時にご案内いたします。
白内障手術は、保険診療・選定療養・自由診療すべて医療費控除の対象になります。詳細はお近くの税務署にご確認ください。
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